カルチャーショックの勧め

芝崎みゆき、古代インカ・アンデス不思議大全

未成年学生さんであれば初めて目にして衝撃でしょうし、大人でも詳しく知らなかった事情がイラスト漫画タッチの迫力でカルチャーショックを運んでくれます。本の題名にある通り、それは「不可思議」ということであり、「理解できないことを知ろうとする」態度が必要です。

時代と場所が変われば常識が変わるということを理解する必要があります。常識とは、つまり、善悪の基準とか、美醜の基準とか、快楽や苦悩とか、全部のものが「総入れ替え」となります。

時代も場所も遠く離れた日本から見て、インカ・アンデス・スペイン（西欧）の争乱を野蛮だなー、馬鹿げてるなー、と思うのは自由ですが、当の本人たちは大真面目だったわけです。それぞれに大義名分があり、真剣に清く正しく生きていただけなのです。

現代日本人が、葉隠の精神、武士道精神を学ぶのも同じことです。新鮮な驚きを感じ、理解しようとする柔軟性が求められています。

主人の顔の皮を剥ぐ

正しい狂気

その思考実験、思考訓練は、現代のシンギュラリティ革命（ＩＴとバイオの双子の革命）でも役に立つでしょう。２０世紀までの価値観が「総入れ替え」になるからです。今まで価値のあったものに価値が無くなり、今まで価値が無かったものの価値が無限大になり、今まで良いとされた行為が悪い行為となり、今まで悪いとされた行為が良い行為になるのです。今までモテてた条件がモテなくなり、今までモテなかった条件が空前にモテるようになります。今まで嬉しかったことが嬉しくなくなり、今まで悲しかったことが悲しく無くなるのです。人生の目標が変わります。

あと、もうひとつ最後に付言すると、このピサロやアルマグロをはじめとするスペイン人たちのギラギラしたむき出しの欲望・闘争心は、善悪を抜きにして「草食男子」と呼ばれる今の若い人々には見習ってほしいものだと思います。タフさ、メンタルの強さが大事なのです。悪いことをしろというのではなく、この世に生を受けた以上、元気に暴れまわれ！と言うことでございます。ほんの少しでもイノベーションに関与して、ムーンショットを狙え！ということです。

シンギュラリティ表