シンギュラリティ対策というのは「時代を読む」「今を読む」ということですから、当然1930年代も理解すべきことになります。1930年代が分からないのに2030年代が分かるということはあり得ないですね。
※実際のノミネート記録
※ノーベル平和賞センターの説明記事
ノーベル平和賞センターの記事では、推薦者のインタビューを引用して「皮肉・冗談の意味だった」と説明していますが、上記の本で著者武田知弘氏は「実際は決してジョークでヒトラーをノミネートしたわけではなかった」と述べておられます。1938年にヒトラーはヨーロッパに平和をもたらしたとして世界中から賞賛されていたからだそうです。
歴史は常に作用と反作用の繰り返しで紡がれていきますね。ドイツ国民がナチス政権を成立させたのも、ベルサイユ条約体制に問題があったからであると解釈できるわけです。フランスは1923年にドイツの石炭賠償停滞を理由にルール占領を断行し、ナチス躍進の伏線になったといいます。英仏がベルサイユ条約体制でドイツをいじめすぎて、アメリカもドイツ復興で金儲けをし過ぎたというのが、遠因になっているわけです。
太平洋戦争だって、急成長していた日本経済と、衰退していた大英帝国の間で、日英経済戦争に発端して日英同盟が破棄されたことが遠因であると分析されています。アメリカも満州利権、中国の権益を狙っており、また、急成長するドイツを牽制する必要にも駆られて、1941年に武器貸与法を成立させて第二次大戦に参戦していったというのです。
日本国民だって、財閥による経済の独占に国民の不満が蓄積しており、貧困層が多く加入した軍部の暴走、満州事変にも国民が熱狂的支持を与えていたと分析されています。
ようするに戦争も平和も世界秩序も全て経済で動いているということになります。それは1930年代でも2030年代でも変わらないでしょう。経済問題だからといって軽視することはできないのです。
第一次世界大戦の時のサラエボ事件だって、事件直後には世界大戦に至ると予想できた人はほとんどいなかったと言います。複雑に絡み合った同盟条約によりサラエボ事件に関係のない各国が嫌々ながら参戦せざるを得なくなった結果として世界大戦に発展してしまったというのです。経済同盟だからといって軽視することはできないのです。TPPしかり、RCEPしかりです。
上記の本のあとがきには、新興国が勃興するときに既存の秩序との軋轢を生じて世界大戦の危険を生じると警鐘が鳴らされています。勿論21世紀の新興国は中国です。
※参考記事
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