捨てないパン屋2

井出留美、捨てないパン屋の挑戦-しあわせのレシピ

この本は、2018年に出版された田村陽至さんの自叙伝「捨てないパン屋」を、食品ロスの削減活動をされている井出留美さんが子供向けに分かりやすく「三人称」でリライトした本です。

 田村陽至、捨てないパン屋

いわば、「捨てないパン屋2」とでもいうべき本なのですが、一人称と三人称の違いもありますし、最初の本に載ってないこともありますので、2冊目も読んでみることをお勧め致します。モンゴルからの留学生ダリアさんとの大げんかの話は、一人称では書けなかった話なのかなと思います。最初の本を出してから3年が経過し、取材した井出留美さんとの信頼関係の中から出てきた話だと思います。捨てないパン屋に転向した原動力となる大きなエピソードでした。

更に、著者あとがきに衝撃的なことが書いてありました。なんと田村陽至さんのパン屋「ドリアン」は、コロナ禍の中で、まちなかの実店舗を閉店(休業、不定期営業化)する決断をしたというのです。「おみせのないパン屋」になったのです。これは新しい時代の営業の形式を示唆することだと思います。

Screenshot of derien.jp

下記参考記事にも書きましたが、これは明らかに「パン屋」の話じゃないんです。これからの、会社や店舗、そして働く人の働き方、生き方の話なのです。

最初の本も、この本も、新しい社会に関心がある人々に注目されている本です。中学・高校・大学の国語入試問題に使われる可能性が高いです。いわゆる論説文というものです。既存の常識を打破する新しい考え方を提示した文章を読解して、その意味をアウトプットできるかどうかが問われます。本を読んで柔軟な思考力でそれを取り入れて行動を修正できる人物かどうか、試されます。まさに、21世紀において勉強する意味がそこにあります。学歴を得るための勉強ではなく、新たな時代の変化に適応するための勉強です。入試問題で初体験するよりも、事前に読んでおいた方が良いでしょう。

※参考記事

捨てないパン屋


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