宇宙観の進化=人類の進化


より深くより楽しく宇宙のしくみ、東京大学数物連携宇宙研究機構IPMU監修

人類誕生以来、宇宙観はずっと変わりませんでしたが、つい数百年前から、ルネッサンスから科学革命以降に、恐るべきスピードで進化してきました。宇宙観の進化は、人類の進化とシンクロしています。

  • 16世紀まで、カトリック教会が主張する天動説を人々は堅く信じていた。
  • 16世紀、火星などの逆行を根拠にコペルニクスが地動説を唱えた。17世紀には、望遠鏡を用いて、木星の衛星、金星の満ち欠け、太陽黒点観測によりガリレオが地動説を唱えた。
  • 1687年、アイザック・ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』が発表され万有引力が定式化された。
  • 1905年、アインシュタインの特殊相対論、1915年の一般相対論で、時空の歪みを人類が認識した。
  • 1922年、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、アンドロメダ銀河の変光星を調べることにより地球からアンドロメダ銀河の距離を測ることに成功し、これが天の川銀河の差し渡しの距離より大きいことを示した。天の川銀河は宇宙の中心にある唯一無二の存在ではなく、無数の銀河の一つに過ぎないことが分かった。これは天動説から地動説への転換にも等しい大転換でした。
  • 1922年、ロシアのアレクサンドル・フリードマンが一般相対論の方程式を解いて宇宙の膨張を主張した。1927年、フランスのジョルジュ・ルメートルも宇宙の膨張を提案。
  • 1929年、エドウィン・ハッブルが、星の光のスペクトル分析をして、光のドップラー効果により星が遠ざかる速度を計算し、地球からの距離と遠ざかる速度が比例していることを発見し宇宙の膨張を定式化したハッブルの法則を発表した。
  • 1948年、ロシア出身のジョージ・ガモフが高温の一点から宇宙が膨張した宇宙モデル(ビッグバンモデル)を提示した。高温の痕跡が観測されることも予言した。
  • 1964年、ベル研究所のペンジアスとウィルソンは、電波望遠鏡1年間の観測を経て、全方向から3.5Kの宇宙マイクロ波背景放射が来ていることを発見した。全方向が過去に同一場所にあったことを示し、ビッグバンの宇宙観が確立した。
  • 1970年代、ヴェラ・ルービンは銀河の回転速度から求められる銀河の質量と観測された恒星の質量の差から、大量の暗黒物質の存在を報告した。
  • 1989年、NASAが宇宙背景放射探査機(Cosmic Background Explorer, COBE)を打ち上げた。宇宙背景放射に10万分の1の揺らぎ(初期宇宙構造)が見つかった。
  • 1998年、ソール・パールマッターらは超新星爆発のスペクトル解析により宇宙の膨張速度が加速していることを報告し、ダークエネルギーの存在が証明された。宇宙は、爆弾が破裂するような減速膨張ではなく、加速膨張していることが判明した。
  • 2001年6月30日に米国NASAによって打ち上げられた、ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe: WMAP)が宇宙背景放射を精密測定し宇宙の組成を詳細に分析した結果が2003年2月11日に発表された。宇宙に通常の原子は4%しか存在せず、23%の暗黒物質(ダークマター)と、73%の暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の存在が観測された。
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超新星爆発の絶対光度は詳しく解明されているので、実際に観測されたスペクトルと比較することにより地球から離れる速度を精密に測定することができるというわけです。

このように見てくると、もう、最初の天動説から地動説への転換なんて可愛いものに見えてくるから不思議です。宇宙観がどんどん塗り替えられ更新されてきたんですね。しかもその更新速度がどんどん増加しているのです。この宇宙観の進化は、人類の進化と並行しています。おなじように人類の社会生活も変化しています。その変化の速度が毎日上昇しているのです。加速しています。宇宙観の変化を学び、人類の進化を体感して、社会生活の変化も予感する必要があります。宇宙論を学ぶことはシンギュラリティを学ぶことなのです。

※参考記事

宇宙革命


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