自動運転レベル3に向けた法改正

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2019年3月8日、自動運転車実現に向けた道路運送車両法改正の閣議決定がなされました。色々書いてあって難しいのですが、要するにココが大事です。

「(1)保安基準対象装置への自動運行装置の追加
 保安基準の対象装置に、プログラムにより自動的に自動車を運行させるために必要な装置として「自動運行装置」を追加します。また、自動運行装置が使用される条件(走行環境条件)を当該装置ごとに国土交通大臣が付すこととします。」

今のところ、高速道路(有料道路など自動車専用道路)で渋滞などの低速運転時に、自動運行装置を動作させることができるようにする運用が想定されているようです。

ちなみに、「自動運行装置」の定義は次の通りとなっています。

「自動運行装置(プログラムにより自動的に自動車を運行させるために必要な、自動車の運行時の状態及び周囲の状況を検知するためのセンサー並びに当該センサーから送信された情報を処理するための電子計算機及びプログラムを主たる構成要素とする装置であって、当該装置ごとに国土交通大臣が付する条件で使用される場合において、自動車を運行する者の操縦に係る認知、予測、判断及び操作に係る能力の全部を代替する機能を有し、かつ、当該機能の作動状態の確認に必要な情報を記録するための装置を備えるものをいう。以下同じ。)」

特定条件下で運転手の全ての動作(ブレーキ、アクセル、ハンドル操作)を代替する装置ということは、自動運転車のレベル3(条件付自動運転車)を意味します。

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2019年3月の時点で、対人自動ブレーキに加えて、自動アクセル装置、レーンキープアシスト装置が市販車に搭載されていますから、高速道路で例えば65キロ以上で、同一車線を自動で運転し続けることは技術的に可能となっており、市販車にもその機能が搭載されているのですが、法規制によって自動運転ではなく、「車線逸脱防止支援システム」ということになっているのですね。だから、常に人間がハンドルを握っている必要があり、人間がハンドルから手を離すと警告音が鳴って、数秒後にアシスト装置が切れる仕組みになっています。

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アメリカでは、レベル5の商用サービス試験運用が開始されており、日本は周回遅れの状態となっています。

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アメリカでは、自動配送ロボットは商用サービスが既に実用化段階に到達しています。

アリゾナ州で自動配送サービス開始

日本もようやくレベル3装置を市販車に搭載することになりました。レベル5の装置は既に開発完了しており、動作試験が繰り返されている段階です。数年以内にレベル4とレベル5が実用化され、新車販売における自動運転車の比率が、10年以内に100%近くに到達するでしょう。街を走る車が全て自動運転車になるまでには20年ほど掛かるかもしれません。子供が自動車のハンドルを見て「ママ、あの丸いの何のためについてるの?」と質問する時代が来るでしょう。


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