RISC-V(リスクファイブ)は、RISC(Reduced Instruction Set Computer、シンプルな命令セットCPU)設計思想に基いた、無償公開されているCPU設計図です。VHDLというハードウェア記述言語によって記録され公開されています。
インテルやモトローラやARMなど、従来のCPU設計図と異なり、RISC-Vは商用も含めたいかなる用途にも自由に無償利用でき、RISC-Vチップおよびソフトウェアの設計・製造・販売は全ての人に無償許可されています。
RISC-Vプロジェクトは2010年にカリフォルニア大学バークレイ校で開始されましたが、現在は多くの国の多くの参加者がボランティアもしくは企業の従業員として参加しています。例えば、グーグル、オラクル、ヒューレット・パッカードなどが開発に参加しています。
RISC-Vの実装は米国シリコンバレーのSiFiveが先行しましたが、中国勢も凄い勢いで追い上げています。
※SiFiveのFreedom E310を搭載したHiFive1、税込6600円
事業化は中国において最も過激に進行しています。もはや主要CPUメーカーの製品を買ったりライセンス料を支払う必要が無くなってしまったのです。VHDLで内部回路を書き換える事ができる汎用ICであるFPGAを買ってきて書き込みすればCPUの出来上がりです。勿論VHDL設計図をTSMCなどの半導体製造会社にメール送信して自社専用CPUを造ってもらうことも可能です。
そのようにして事業化されたRISC-Vシステムは、日本でも購入することができ、実際に自分の製品で採用して活用することができます。
※Sipeed Longan Nano RISC-V開発ボード、税込830円
※Wio Lite RISC-V無線LANつき評価ボード、税込1000円
※Sipeed Tang PriMER FPGA Dev.Board、税込2580円
※RISC-V64ビットデュアルコアK210発売、Kendryte
※RISC-Vソフトコアを実装できる中国のFPGAメーカー、anlogic
このCPUが今後、スマホや自動運転車や配達ロボにも使われることになるでしょう。そして、あらゆるIT製品のコストが低下していくことになります。それが社会にどのようなインパクトをもたらすのか、想像して下さい。
※参考記事
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