ESG投資は、環境environmental, 社会social, 企業統治corporate governance を重視することが企業の持続的成長に欠かせなくなってきているという認識のもとに、各企業のESGの取り組みを評価して、投資先の選定に考慮する投資方法です。
2006年に国連のアナン事務総長が提唱したPRI責任投資原則(Principles for Responsible Investment)の中でESGの考え方が提示されました。
PRI責任投資原則の6原則を引用します。
- 私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。
- 私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。
- 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。
- 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。
- 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
- 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。
環境保全活動に着目すると、グリーンニューディールや、グリーンQEの考え方も理解できます。
これは政府主導で低炭素社会実現のためにグリーンエネルギー推進の公共投資を行う考え方です。1930年代のニューディール政策を、温暖化対策が必要な21世紀にバージョンアップした概念と言えます。
グリーンQEは、中央銀行が金融市場に資金を投入する量的緩和Quantitative easingを実施する際に、国債を購入するだけでなく、地球温暖化防止のために使われるグリーンボンド(グリーン債権)を購入する政策です。地方自治体が市庁舎に太陽光パネルを設置する目的で起債するようなことが想定されます。しかし、発行主体や発行目的に多様性がありますし、債権の償還可能性が国債とは比べものにならないくらいに低いおそれがあります。グリーンQEは債券市場に歪みをもたらすと警鐘を鳴らす意見もあります。
これらの新しい投資手法は、毎年規模が拡大しています。
http://www.env.go.jp/policy/資料4グリーンボンド・グリーンローン等の国内・海外動向.pdf
今やグリーン投資はキャピタルゲインもインカムゲインも狙える「儲かる投資」になりつつあります。中央銀行や年金基金などの後押しも示唆されているので万一の金融危機の際にも下がりにくい性質が期待できます。いわば「下駄履き」「上げ底」された金融商品ということになります。
日本の株式市場で買える上場投資信託ですと、インフラファンドが6本上場されています。全て太陽光発電資産(借地権、ソーラー発電設備など)を中心とするファンドになっています。
※参考記事
※参考書籍
Jeremy Rifkin, The Green New Deal: Why the Fossil Fuel Civilization Will Collapse by 2028, and the Bold Economic Plan to Save Life on Earth
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