正しいパンツのたたみ方

本のタイトルに度肝を抜かれますが、中身は至ってマジメな「生活力、自立」をテーマとする人生哲学の話です。高校で英語科教員を13年やってから、珍しい男性の「家庭科教員」になって教えてきた経験を綴った本なのです。勉強とかお金を稼ぐだけでは楽しく生活していけないよ、どうしたら楽しく生きがいのある人生を送れるか、それも学校で訓練しましょう、というのが家庭科なんだと言います。これはシンギュラリティの時代を生き抜く知恵にも通ずるテーマだと思いました。

題名の「正しいパンツのたたみ方」は、創作人生相談で「妻のパンツのたたみ方がうまくできなくて困っている」という相談者に何と回答したらよいか、という練習問題を題材にしています。著者の導きで、これは具体的な家事作業のことではなく、家庭生活をうまくやっていくにはどうしたらよいか、という問題であることが示唆されます。つまり、パンツのたたみ方自体が問題なのではなく、家庭生活の送り方や家族の関係性が問題だったのです。

家庭科、体育、美術は副教科などと言われていますが、英語数学国語理科社会などの主要教科にも負けない重要な意義があると言います。著者によると、次のような意味合いがあるといいます。

保健体育・・・身体の感性をみがく教科
芸術・・・心の感性をみがく教科
家庭科・・・暮らしの感性をみがく教科

著者は、これらの副教科を「人生を豊かにする主要3教科」と呼んでいるのだそうです。確かに、立派に仕事をして沢山お金を稼いでも、家庭や勤務先や地域社会で人間関係がギクシャクして楽しくなければ人生楽しくないですし、周りの人も楽しくないでしょう。

生産性革命により収入・労働の必要性が低下した場合には、この3教科の重要性が増してくることになります。「体を動かし」、「文化芸術に親しみ」、「家庭生活と社会生活を楽しむ」ことが大事なんですね。これらの活動を意識的に行う必要があります。どんなに労働の必要性が低下しても、社会的存在である我々人類は、社会的な、家族的な繋がりの中でしか生きられません。その時に、何をどのようにやるのか、今から考えておく必要があるでしょう。ボランティアでSDGsの活動を地域や家族で身体を動かしながら芸術的に行うことが考えられます。

※参考記事

SDGs

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