新しい物語「時間銀行」


Screenshot of en.wikipedia.org

※イギリスの時間銀行timebanking.org

Screenshot of timebanking.org

※アメリカの時間銀行timebanks.org

Screenshot of timebanks.org

テクノロジーが究極に進化して、生産性が究極に到達した時、従来の資本主義経済は続けることが出来なくなります。お金を集めて投資して、営業利益を稼ぎ出して出資者に分配するというサイクルが成立しなくなるからです。そのような時代に、人々の人生観や世界観(つまり、生きがい、やりがい)を提供する「新しい物語」が求められています。

そのひとつに「時間銀行」があります。昔、母の日に「肩もみ券」「おつかい券」をお母さんにプレゼントした人も多いと思いますが、それを家庭の外でも、地域社会全体で流通させようというのが、時間通貨、時間銀行の試みなのです。

意外なことに、時間通貨、労働通貨は19世紀から存在していました。アダムスミスやデビッドリカードの労働価値説を実験するものです。また、無政府主義や社会主義とも結びついていたようです。アメリカの個人主義的無政府主義ジョサイア・ウォーレンは実験的な「シンシナティ時間店」を1827年から1830年までの3年間営業しました。「労働時間券」で商品を買うことができる店舗です。

Screenshot of en.wikipedia.org

世界初の時間銀行は1973年に日本の水島照子さんが開設したと言われています。彼女が始めた活動は、NPO法人ボランティア労力ネットワークとして引き継がれています。例えば若い女性がボランティア労働を提供すると、労働クレジットを獲得し、それを後日、自分自身の介護のために利用することができるという仕組みです。

Screenshot of www.rouryokunetwork.com

上記ボランティア労力ネットワークのHPより趣旨を引用します。


人の寿命は時間の積み重ねであると思います。その生涯の一コマでる1時間1点という労力の「愛の通貨」を活用すれば、独身時代に貯めた点数で、仕事や子育て最中の多忙な時期を乗り切ることも出来ますし、元気な時に蓄えた点数で老後を人間らしく自立して生きる助けにもなります。お金はインフレをおこすことがありますが、1時間1点という「愛の通貨」はどこへ行っても平等であり、何年たっても変わることはありません。そして友情という利息は暖かく心を潤します。また会員資格ともなっている月に2時間以上のボランティア活動も、思いやりの心を養い、人との交流を深め、人のために尽くす喜びを知り、楽しく優しい心で生活するのに役立ちます。


基本的な仕組みは次のようなものです。

ボランティア労力ネットワークは、時間に余裕のある時と、足りない時を相互に組み合わせ補い合って、助け合いをしています。

1時間の労力を1点として人のために働いて点数を貯蓄し、必要な時に引き出して使うというシステムです。元気な時や暇のあるときに貯めた点数で、仕事や子育ての多忙な時期、または老後の介助が必要になったときなどに手助けを頼むことができます。

もし必要な時に点数が貯まっていなくても、労力の提供を受けることができます。あなたのライフサイクルの中で出来るときに労力のお返しをしてくださればよいのです。


沿革的に、水島照子氏が太平洋戦争時に自分自身の縫製の労力と食料を物々交換して生き延びたことをきっかけとして人々の助け合いのネットワークが構想されたようです。独身時代にボランティアして子育ての時代に助けてもらい、子育てがひと段落したらボランティアして高齢時に介護を受けるというようなギブアンドテイクが想定されたようです。介護保険が始まる前の時代に一定の役割を果たしていた様です。

お金を介さない人々の助け合いは、現在様々な形で世界中に広がっています。生産性革命が進展して、人々の生活に支障が無くなった後でも、おそらく精神的な問題は消えることは無いでしょう。その時、時間銀行の仕組みが人々を救済するかもしれません。

※参考記事

新しい物語

ぼくはお金を使わずに生きることにした

食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。