幸福革命

シンギュラリティ革命は幸福革命です。人類は幸福度を高めることの重要性に気付き始め、経済学、心理学、政治学など様々な分野で幸福研究が始まり、OECDや国連や大学など、定期的に幸福度ランキングを公表する機関も増えてきました。

このランキングを見て「どうしてドイツ人は経済的に恵まれているのに幸福度が低いのだろう」と疑問に思ったひとりのドイツ人女性が、幸福度ランキング上位13カ国を旅して、危険な貧困地区も厭わず、様々な場所で300人以上にインタビューして書かれたのがこの本です。幸福に関する様々な示唆に富んだ本です。断片的に御紹介致します。

  • 豪州の幸福研究家メラニー・ダヴァーン博士「精神の健康は肉体の健康と同じです。トレーニングをせずにマラソンで優勝することなど考えられません。同様に幸福になるには努力する必要があります。たとえば、ひと息いれて、ちょっとしたことを楽しんでみるのです。あるいは仕事を中断してバラの香りをかいでみるのです。」
  • デンマーク生まれのノルウェー人作家アクセル・サンネムーセが1933年に書いた小説の中で架空のヤンテ村の10の掟を紹介しており、「あなたは自分が何か特別な存在であるとか他の人たちより優秀だと考えてはいけない」というものがある。
  • 「ノルウェー北部では、自動車や家のドアに鍵をかけたりしない。他人を信用し、他人のいちばんいいところだけを考えるというのはいいことだね。これもスカンジナビア文化の一端さ」ノルウェーの実業家で外務省職員アロン・ハルフェン
  • 「私たち、お金はないけど幸せだわ!幸せになるには、落ち着いた暮らしと友だち、それに家族がいればそれで十分。コスタリカはたしかに貧乏だけど、私たちは幸せ。家族と神様がいるもの」コスタリカの不法建築で4人の子供を育てる母親カーチャ・エスキベル・ヌニェス
  • 「私の研究で判明したことは、幸福には基本的に二つの側面ーー人間関係と自由時間ーーがあり、GNP(国民総生産)とは無関係だということです」「世の中が目ざすべきものが何か、それを見失ってしまっている国はたくさんある。そういう国はモノがあふれかえり、国民はモノをたくさん持つようになるが、ゴミも多くなる。なぜなら国民はモノを生産し続け、買い続けるから。それが私たちの社会の目標?人間はそれによって満足するだろうか?」メキシコのラテンアメリカ社会科学研究所教授マリアーノ・ロハス
  • 「それを知るには、コロンビア最高の作家ガブリエル・ガルシア=マルケスを読むことです。彼の本は魔法に満ち満ちていますよ。秘密をはらんでますし、色彩に富んでいます。」コロンビアの魂の殻にあるものを聞かれたアンデス大学経営学部教授エドゥアルド
  • 「私たちのチームは所得と人間関係についてアンケートしてみました。端的に言えば、自分の面倒を見てくれる人のことを人は愛しているか?その結果わかったことは・・人間関係が幸福と人生の満足感に及ぼす影響は所得の影響の五倍!」カナダの幸福研究家アレックス・マイクロス
  • 幸福度第3位のアイスランドは人口わずか30万人、国民全員が七親等以内の親戚である。
  • 「自分の生活を変える自由があれば、人は幸福になれるのです。自分の人生をコントロールできるという意識を持てれば幸せになれるのですよ」デンマークのオーフス大学ビョルンスコフ教授
  • 「もしあなたが若者たちを自主的な人間に育てれば、そしてその若者たちがその後、大切なことを求めることのできる社会で生きていけば、若者たちはきっと幸せな人間になるだろう。自分自身で決断を下すことができるよう育てられることが重要なのだ。」世界幸福度ランキング創始者ヴェーンホーヴェン教授
  • 「スウェーデンには自然がふんだんにあります。自然には何かパワーがあると思うんです。自然に接すると人間は落ち着きます。落ち着いていたほうが人は容易に幸せになれる。」イェーテボリでエスプレッソバーを経営するクリスティアン
  • 「人間は誰もが同等の価値を持ち、誰ひとり他人より上ではないというこの考えに、私は幸福度の高い国々の大半で遭遇した。そしてこの考え方には常に、寛大さ、自然な尊敬、極上の礼儀正しさが伴っている。」著者マイケ・ファン・デン・ボーム
  • 「一文無しでも尊敬される。人の価値は何を持っているかで決まるんじゃない。あくまでも人間の格で決められるの。そういう場所に居ると、とてもリラックスできる。ここの社会も他人を押しのけるようなところじゃない。互いに尊敬しあっているからね。」デンマーク市民マンディ
  • 「私は、人生をあまり深刻に考えないというオーストラリア流が大好きなの。たしかに真剣に生きることもできるし、この国にはとてもいい労働モラルがある。でもオーストラリア人はリラックスして生活を楽しむことも大好きなの。」シドニーの公園であった73才女性ポーリーン
  • 「オーストラリア人が幸せな理由?月並みかもしれないけど、幸せな人は単純なことを大切にしてるわ。晴れた1日を自由に過ごすとかね、今日みたいに。親友と仲間。おいしい食事と家族。これは別に特定の文化に固有のものだなんて思わない。」オーストラリア市民ルイーズ
  • 「私は趣味で手品に熱中してるんだが、カナダで手品を披露すると、みんな集まってきて喜んでくれる。だが、ドイツでは『今どうやったの?どうやって水を中に入れたの?どうしてその水が今は消えたの?』とすぐに訊かれる。ドイツ人の詮索好きは幸せにとって邪魔なのさ。」カナダの幸福専門家でブロガーのヘルベルト
  • 「あまり将来のことを考えるのはやめたほうがいいかも。今という瞬間をつかまえて、今を生きること。まさに今ここにいると実感すること。それから他者と仲間になること。そう意識すれば、自分の周囲には本当に何もなくなり、あるのは自分と、今自分が持っているものだけになる。そうなれば幸せになれるよ。明日どうなるかを心配すれば幸せから遠ざかってしまう。」アメリカ出身でモントリオールに住む電子音楽作曲家ジョン・フィリップス
  • 「大事なのは一日をあるがままに見ること。日が昇り、日が沈むのをあるがままに見ること。昼になり、昼が去っていくのを、そして時間が続いているのをあるがままに見ること。というのも、毎日が新しい一日だから。今日をいい日にするにはどうしたらいいか?そう考えれば、生活が刺激的になる。これは楽しいことだよ。」デンマーク市民デーニエル
  • 「『死者をしのぶ日』になると、死者の魂があの世から家族の許に戻ってくる。教会も公園も学校も祭壇も、すべてオレンジ色の花の海に沈む。ケーキ屋はかき入れ時だ。にぎにぎしく飾り立てて死者の名を記したチョコ製のどくろを売るのだ。学校では子どもたちが、微笑を浮かべる骸骨を製作する。」メキシコについて、著者
  • 「メキシコ人は死を笑う。死は悲劇ではなく祝うべきもの。そう考えているから、いくら失敗しても、人生をあまり悲観しないの。」レストラン店員女性
  • 「私たちは今を生きているのよ。ドイツにこういうことわざがあるわ。『今日できることを明日に延ばすな』でも私たちにはそれとは違うことわざがあるの。『明後日できることは明日するな』何もかもとても単純で、ゆっくりめで軽やかなの」メキシコ人ジャーナリストのマルタ・ドゥラン・デ・ウエルタ
  • 『ボンのカフェで70代の客に生きる意味を尋ねたところ、「生きる意味は会話にあり」と回答が返ってきた。たしかに今回の旅で出会った人たちの多くが、幸せの条件としてコミュニティやコンセンサス、つまりは他の人と一緒にいることを挙げていた。』著者
  • 「私は毎朝河辺で聖霊に祈っている。祈らなかった日には、一日中何か肝心なことを忘れてる気がするんだ。幸福というのは、自分自身に対しても正直になることさ。何かを信じている場合でも、あるいは何かを信じていない場合でもね。私は自分の幸福が聖霊から発していると信じている。この信仰を失ったら私の人生はむなしいものになってしまう。むなしい人生は、いわば失敗した人生さ」デンマーク在住イギリス人マイケル
  • 「遅くとも1992年のサルにおけるミラーニューロンの発見によって理解は進んだ。脳に社会性があることが判明したからである。サルの場合、そして人間の場合も、たとえば他の個体が木の実をつかんでいるところを見れば、自分がそれと同じ行動をした場合と類似の神経生物学的な経過が脳内で生じることがわかったのだ。」著者
  • 「他の人の感情を見聞すれば、私たちの脳はそれを一緒に感じたような状態になる」オランダのクリスティアン・ケイゼルス教授

※国連の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する幸福度調査のレポート、世界幸福度報告(World Happiness Report)

Screenshot of worldhappiness.report

※OECDの幸福度調査How’s life

Screenshot of www.oecdbetterlifeindex.org

※オランダロッテルダムのエラスムス大学のルート・ヴェーンホーヴェン教授が創設した世界幸福度ランキング

Screenshot of worlddatabaseofhappiness.eur.nl

1位 デンマーク 8.5
2位 メキシコ 8.3
3位 コロンビア 8.2
4位 スイス 8.2
5位 ノルウェー 8.0
6位 フィンランド 8.0
7位 アイスランド 8.0
22位 ドイツ 7.2
53位 日本 6.1

このドイツの著者はドイツの幸福度ランキング順位が低いことをきっかけとして世界放浪の旅に出たのですが、日本なんて更にもっと低いんです!もう日本人なんて全員世界に旅しなきゃダメですね!

イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、「農業革命は史上最大の詐欺であった」と、書いています。農業革命により狩猟採集民の自由時間は減少し、幸福度が損なわれた疑いがあるというのです。そして人類は21世紀には幸福感の操作も成し遂げると予言されています。

この本で明かされている「人間関係が幸福と人生の満足感に及ぼす影響は所得の影響の5倍」という知見は極めて重要なことだと思いました。これから生産性革命が進行し、ほとんどの社会人の仕事が無くなり、ベーシックインカム生活に入っていく場合に、仕事が無くても、収入が無くても、努力や工夫次第で幸福度の6分の5は維持することができる、ということなのです。21世紀の日本の子供たちは、勉強や就職だけに邁進するのではなく、6分の5の領域にも目を向ける必要があるでしょう。コミュニケーションの恩恵を真剣に考える必要があるのです。その他、自然との共生が大事であること、過去や未来を考えず今という瞬間を味わうべきことなどが述べられています。

※参考記事

サピエンス全史、上巻

ホモ・デウス上巻

※参考書籍

 ガルシア=マルケス「百年の孤独」

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。