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21Lessons 第1部テクノロジー面の難題

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの最新作「21レッスンズ-21世紀の人類のための21の思考」、少しずつ読んでいます。管理人の読解を提示致しますので各自読んでみて下さい。

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はしがき

歴史はいつも不公平だが、ITとバイオテクノロジーの双子の革命がもたらす人類の将来についての議論についても、ほとんどの人々は参加出来ず、その結果を受け入れるしかない。双子の革命が、自由主義と民主主義を過去のものにしようとしているのだ。

1、幻滅

東西冷戦が終わった1990年代初期には「歴史の終わり」が到来して、政治経済問題が全て解決して、自由と民主主義のパッケージが残り、世界に伝播していくと自信たっぷりに喧伝されたが、21世紀に入って我々は、自由主義のセットメニューが人々の信頼を失い幻滅されかけていることを目撃している。自由主義のセットメニューは、「経済」「政治」「個人」の分野で、「国家レベル」でも「国際レベル」でも、本質的な結びつきを有していた。自由市場、自由貿易、自由選挙、国際平和、個人の自由、移民の自由という具合である。それがいまや、自由主義のビュッフェ型のつまみ食い形式に移行しつつあり、孤立主義への呼びかけが人気を得ている。テクノロジー革命が雇用を奪うと予測されているが、この事情に適合する新しい物語が必要とされているのだ。

2、雇用

アルファゼロは4時間の機械学習により人類(世界チャンピオン)を打ち負かしたチェスプログラムストックフィッシュを打ち負かした。これは人間の労働の価値に関する「炭鉱のカナリヤ」かもしれない。従来の技術革命のような、失業者が新しい仕事へ適応するという方法では解決できない可能性があり、人類は搾取よりも存在意義の喪失という問題に直面しているのかもしれない。2050年には、終身雇用だけでなく、「一生の仕事」という考え方自体が時代後れになっているかもしれない。雇用なき未来の社会ではベーシックインカムが選択肢のひとつになるが、それはイスラエルでは超正統派ユダヤ教徒で実践されてきた。彼らは貧困でも生活満足度が高いのである。しかし、問題の本質は、人間からアルゴリズムへの権限の委譲、自由主義の衰退であり、デジタル独裁制の台頭が目前に迫っている。

3、自由

自由主義は人間の自由意志を権限・価値の源泉に採用するが、これは過去数世紀の物語にすぎない。それは元来、何千年にもわたって、神の法に依拠するものであった。テクノロジーによって人間の心のハッキングが完成したら、民主政治は情動を操る人形芝居と化すだろう。自由意志に無上の価値があるという神話は、意思形成過程が外部から閲覧できず、意思形成の仕組みが解明されていなかったことにより維持することが出来たが、バイオメトリックセンサーや機械学習などテクノロジーの進歩によりそのハッキングが進行し、その前提が崩れつつある。情報検索、自動運転などの便利な機能を使うために、人類は判断をAIに委譲しつつある。殺人ロボットや機械学習監視システムが完成すれば、21世紀のデジタル独裁国家が生まれるかもしれない。AIの高度な能力が、人間の生まれつきの愚かさを助長することに使われる恐れがあるのだ。

4、平等

21世紀は史上最も不平等な社会を生み出すかもしれない。今や1パーセントの最富裕層が世界の富の半分を所有し、富裕者の上位100人の資産を合わせると貧困層の下位40億人の資産合計を上回っている。生物工学とAI普及の組み合わせにより、格差は遺伝子レベルに到達し、人類が異なるふたつの種に分化する可能性がある。古代には土地が最も重要な資産だったが、近代には機械と工場が土地よりも重要になった。それが21世紀にはデータが最も重要な資産となる。巨大IT企業は、無料サービスなどを駆使して、ネット閲覧者の注意でビジネスをする「注意商人」である。我々は、無料動画や無料電子メールサービスを使うことと引き換えに喜んで大量のデータを手放している。データの流れを遮断し、データの集中を回避することはますます困難になりつつある。

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おもうに、この本は、「サピエンス全史」と「ホモ・デウス」を各上下巻、合計4冊ですけど、これをぜんぶ読んでから買うべきだと思います。ハラリさんの本が初めてでこの本を読みますと、色々書いてあることが、日常生活からかけ離れ過ぎて理解しにくいのではないかと思いました。2018年に書かれた本なので、「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」の知見が最新版にアップデートされています。ハラリさんが、トランプ当選やブレグジットをどのように解釈しているのかなどが読み取れます。

※参考記事

サピエンス全史、上巻

サピエンス全史、下巻

ホモ・デウス上巻

ホモ・デウス下巻

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