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21Lessons 第3部絶望と希望

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの最新作「21レッスンズ-21世紀の人類のための21の思考」、少しずつ読んでいます。管理人の読解を提示致しますので各自読んでみて下さい。

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10、テロ
西洋の近代国家は、国内の政治的暴力は一切許さないという明確な約束の上に自らの正当性を確立した。だから、ほんの少しの暴力でも、何十億人もの人に恐れを抱かせ、巨大な政治構造を揺るがすことができる。テロリストはマインドコントロールの達人である。テロによる死者は、交通事故や糖尿病や大気汚染で亡くなる死者の数に比べれば微々たるものだ。テロリストは食器店を破壊しようとしているハエのようなものだ。核テロやバイオテロの可能性はあるが、過剰反応すべきではなく、テロ対策は、秘密裏に情報活動を行いテロ資金の金融ネットワークを遮断することである。

11、戦争
暴力行為は、初期農耕社会では人間の死因の最大15パーセントであった。20世紀には5パーセントになり、今日では1パーセントに過ぎない。それは経済的価値の源泉が土地や物から技術的な知識に移行したからである。しかし戦争が損な企てであると判明したからと言って、平和の保証とはならない。人間の愚かさを過小評価すべきではないのである。

12、謙虚さ
世界中の民族が自分達の文化が人類史の要であると信じ勝ちだが、今日の科学者は道徳性には人類の登場に何百万年も先行する深い進化上の起源があることを指摘している。哺乳類の動物を観察すると様々な倫理的な行動が確認できる。正しい認識を持つために、謙虚さを見つめ直すことが必要になっている。

13、神
私たちが神という言葉を使う時、それは「宇宙の神秘」と「世俗的な立法者」の2種類の意味を含んでいる。神への信仰は社会秩序の維持に役立つが、神への信仰が無くても、社会的な哺乳動物と同様に、倫理的な行動を取ることはできる。それは「神の命令に従うこと」ではなく、「苦しみを減らすこと」なのである。神への信仰は、怒りを抑える助けになることもあるし、怒りを掻き立てたり正当化したりすることもあるのだ。

14、世俗主義
多様な宗教を寛容に認める世俗主義の理想は、観察と証拠に基づいた真実を探求することと、苦しみを深く理解する思いやりを探求することにある。このふたつから「平等」や「自由」といった価値観も導出され、これを探求するには「勇気」や「責任」が必要となる。スターリン主義や西洋帝国主義や資本主義の歴史を見れば分かるとおり、世俗主義を追求すると不寛容な新たな教条主義を生み出す危険がある。人権主義ですらドグマと化するリスクがある。非教条主義的な世俗主義であっても常に陰の側面に注意する必要があるのだ。

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第3部は、21世紀のグローバルな課題に直面する人類にとっての、問題となる概念を論じています。テロや戦争などにうつつを抜かしていては、問題は解決できませんよと警告しているのです。問題解決に必要なものは何か、それは「神への信仰」ではなく、「世俗主義」を追求することでも無いよと言っているのです。それは現実を直視するための「謙虚さ」のようなものかもしれません。「謙虚さ」を詳述している12章が重要です。

※参考記事

サピエンス全史、上巻

サピエンス全史、下巻

ホモ・デウス上巻

ホモ・デウス下巻

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